●プロジェクト概要
インクルーシブな大学での学びの保障の一環として、障害学生が必要とする合理的配慮を提供するための環境整備に関するプロジェクトを計画している。アクションにある「ダイバーシティーを背景に多様な学生が互いに刺激し、学びあう場の創造」を踏まえ、障害や病気を持った学生の学びが保障される大学における基礎的環境整備の充実を図る。すべての学生がすべての教室・授業で必要な配慮が受けられるような、人的資源などソフト面でのサポート及び情報保障や支援の場の確保などハード面での環境整備を図る。学生・教職員の知識向上・意識変容は全学的に数量的に評価するとともに、ステークホルダーに公開する。
●プロジェクト達成水準
・障害学生自身の、大学で学びの保障に関するアンケートを70パーセントの学生で実施・確認できる。
・学生(医学部を除く)のメンタルヘルスや障害・病気に関する基礎知識についての講習受講割合 100パーセント
・キャンパスライフサポーター(仮)の登録学生数が、全学生(医学部を除く)の10パーセント以上となる。
・教員・職員への障害学生支援に関する研修受講(e-learning/SD・FD研修)割合 100パーセント
●令和7年度計画
(1)(3月)
令和8年度末にキャンパスライフサポーターの登録数が全学部(医学部を除く)の10%を達成するために、学期初めを中心としてキャンパスライフサポーターの登録推奨を案内し、
ワークブックを用いて養成を行う。
(2)(前期)
メンタル不調や不適応をきたしやすい新入生の支援、基礎知識向上のために、学部新入生に対してメンタルヘルス講習を実施する。
(3)(3月)
全学部(医学部を除く)全学年について、支援要請学生とキャンパスライフサポーターのマッチングシステムを運用するために、令和7年度入学生についてもキャンパスライフサポー
ターの養成を行う。
(4)(9月)
キャンパスライフサポーターの交流やスキルアップを目的として、夏季休業期間中にキャンパスライフサポーターの交流会を企画・実施する。
(5)(3月)
学生を主体とした障害当事者グループ活動の運営の定着を目的として、定期的にグループ活動を実施する。イベント企画を中心とする月例会を年間7~8回実施する。
(5)(3月)
大学で実施している合理的配慮などについて、状況や改善点がないかを調査するために、ウェルビーイング創造センター学修支援部門を利用している学生を対象としてアンケート
を行い、結果を検証する。
(7)(4~5月)
職員のインクルーシブ社会及び合理的配慮に関する意識、知識向上を図るために、令和6年度に作成したテキストを活用し、学生支援に関わる職員の研修を実施する。
(1)~(7)(3月)
キャンパスライフサポーターを経験した学生の意識・レトロアクティブな活動効果を調査し、今後のキャンパスライフサポーター活動の運用に活かしていくためにアンケートを実
施する。(令和6年度、キャンパスライフサポーターを活用している障害学生は1年生である。制度の利用を引き続き図る。)
●令和6年度計画
(1)(8月)ワークブックを用いたキャンパスライフサポーターの養成
(2)(7月)大学入門科目におけるメンタルヘルス講習の実施(前期)
(3-1)(3月)キャンパスライフサポーターの登録者が増える。
(3-2)(3月)支援要請学生とのマッチングシステムの運用を3年生まで提供
(4)(9月)キャンパスライフサポーターの交流会の実施
(5)(3月)学生を主体とした障害当事者グループ活動の運営の定着
(6)(3月)令和5年度に立ち上げた基礎的環境整備に関するワーキング活動の継続
(7)(12月)インクルーシブ社会及び合理的配慮に関するe-learningコンテンツの改修
(1)~(7)(3月)教職員・全学生向けの、合理的配慮提供へのアクセシビリティーに関するアンケート調査を実施
●令和5年度計画
(1)(8月)キャンパスライフサポーターの養成研修ツールのワークブック化
(2)(7月)大学入門科目におけるメンタルヘルス講習の実施(前期)
(3-1)(3月)キャンパスライフサポーターの登録者が増える。
(3-2)(3月)支援要請学生とのマッチングシステムの運用が2年生まで適用
(4)(9月)キャンパスライフサポーターの交流会・研修会の実施
(5)(通年)学生を主体とした障害当事者グループ活動が定期的に開催されている。
(6)(5月)基礎的環境整備に関して、学生支援室と環境施設部とでワーキングを立ち上げ、障害学生当事者の要望等を集約し検討する場をもつ。
(7-1)(2月)インクルーシブ社会・合理的配慮に関するFD/SD研修の実施
(7-2)(8月)インクルーシブ社会及び合理的配慮に関するe-learningコンテンツの運用開始
(1)~(7)(3月)教職員・全学生向けの、合理的配慮提供へのアクセシビリティーに関するアンケート調査
●令和4年度計画
(1)キャンパスライフサポーターの養成研修キットの開発とブラッシュアップ(8月に完了)
(2)全学部(医学部を除く)での大学入門科目におけるメンタルヘルス講習の実施(キャンパスライフサポーター(仮)制度のガイダンスと登録の推奨を行う)(7月に完了)
(3-1)キャンパスライフサポーター(仮)の登録(10月~12月)
(3-2) 支援要請学生とのマッチングシステムの運用開始(3月)
(4)キャンパスライフサポーター(仮)の交流会の実施(12月)
(5)障害学生の当事者グループ活動の運営と場の確保(通年)
(6)合理的配慮の基盤となる基礎的環境整備に関する実態調査(12月)
(7-1)大学におけるインクルーシブ社会及び合理的配慮に関するFD/SD研修の実施(3月に完了)
(7-2)大学におけるインクルーシブ社会及び合理的配慮に関するe-learningコンテンツの開発。(3月に完了)
(1)~(7)教職員・全学生むけの、合理的配慮提供へのアクセシビリティーに関するアンケート調査(1月~3月)
●令和6年度進捗状況
(12月末時点)
(1)(8月)
令和5年度に作成したワークブックを用いて、学生のキャンパスライフサポーター養成を行った。11月末時点で101名の学生を養成できた。
(2)(7月)
全学部(医学部を除く)の大学入門科目において、メンタルヘルス講習を行った。令和4年度以降、毎年新入生に実施しており、3学年に対してメンタルヘルス講習を実施できた。
(3-1)(3月)
全学部(医学部を除く)の大学入門科目において、キャンパスライフサポーター制度のガイダンスと登録の推奨を行った。また、有償の学習サポーターに対してキャンパスライフサポ
ーターの登録を促した。令和6年度は101名の登録者が増えた。(11月末時点)今後も登録者を増やすために継続して登録推奨の案内を行う予定である。令和7年度の新入生アドバイ
ザーも、キャンパスライフサポーター登録を必須とする予定である。
(3-2)(3月)
支援要請学生とのマッチングシステムを運用し、支援の提供は可能である。現在は1年生の支援要請学生とキャンパスライフサポーターーのマッチングを行い、支援を実施している。
(4)(9月)
9月26日にキャンパスライフサポーターの交流会を開催し、10名の学生が参加した。交流会の前半では、佐賀中部保健福祉事務所から講師を招聘しゲートキーパー研修、後半では、
交流会を実施した。学生間の交流ができ、研修受講によって学生の障害学生支援やそれを取り巻くメンタルヘルス領域の基礎知識を向上させることができた。
(5)(3月)
木曜日4限限を定例会として、グループ活動を継続し、5~6名の学生が参加している。また、5月、8月、11月には月例会を開催した。今後も活動を継続することにより運営を定着さ
せ、学生間の交流の場、機会を確立していく予定である。
(6)(3月)
環境施設部、ウェルビーイング創造センター学修支援部門、学生生活課、教務課、教育企画課の職員と車椅子を利用している学生、保護者が会し、構内道路、駐車場、スロープについ
て意見交換と現場確認を行った。改善要望のあったスロープと教養教育大講堂入口について、環境施設部からの提案により、スロープに滑り止め防止の改修および教養教育大講堂入口
の段差解消を行った。
(7)(12月)
3月までにインクルーシブ社会及び合理的配慮に関するe-learningコンテンツの改修を行い、教職員版のテキストを作成する予定である。
(1)~(7)(3月)
12月~1月に実施予定である。
●令和5年度進捗状況
(12月末時点)
(1)(8月)
キャンパスライフサポーターの要請研修キットの開発を行い、ブラッシュアップのうえ、ワークブックを完成させた。
(2)(7月)
全学部(医学部を除く)の大学入門科目においてメンタルヘルス講習を実施し、キャンパスライフサポーター制度のガイダンスと登録の推奨を行った。
(3-1)(3月)
新規に39名のキャンパスライフサポーターの登録を行った。さらに登録者を増やすため、年度末に向け、再度登録推奨キャンペーンを実施する予定。また、すでにノートテイカーや
学習サポーター等の有償ボランティア活動に従事している学生にもキャンパスライフサポーターの登録を促している。
(3-2)(3月)
支援要請学生とのマッチングシステムの運用開始に向け、教務課と事前協議を済ませた。障害学生からの支援要請(キャンパスライフサポーターを活用した講義名)→ 教務課への登
録者の問い合わせ → 候補者の選定 → 障害学生の同意 → 候補者への声掛けまでが実用化できている。(2名の障害学生に関して、実際のキャンパスライフサポーターの活用
までは至っていないが、教務課による登録授業のキャンパスライフサポーター候補者の選定まで終わっている。)
(4)(9月)
9月11日にキャンパスライフサポーターの交流会を開催した。前半では自殺予防の取組みとして佐賀中部保健福祉事務所から外部講師の招請し、ゲートキーパー研修を実施した。後半
には交流会を実施した。前半は18名、後半は10名のキャンパスライフサポーター登録学生が参加した。
(5)(通年)
障害学生の当事者グループ活動として、毎週1コマ90分の枠を使った定例会を実施している。10月の後期開催枠から、キャンパスライフサポーター登録学生が当事者グループに参加
する形で、障害学生当事者とサポーター交流の場を提供している。今後、定例会に加え月例会を開催予定。
(6)(5月)
11月21日に企画管理課と学生支援室コーディネーターと、施設整備事業(令和7年度)、学内営繕事業(令和6年度)に関する情報共有の打合せの場を持った。基礎的環境整備に関し
て、企画管理課・ダイバーシティー推進室(障害者雇用の職員)・学生支援室(障害学生)の構成メンバーからなる施設設備の整備・営繕事業に関する第1回ワーキンググループを
令和6年1月に開催予定。
(7-1)(2月)
大学におけるインクルーシブ社会に関連するFD/SD研修として、5月1日に教育学部において「教育学部における聴覚障害学生の情報保障について」として、6月14日に理工学部にお
いて「配慮が必要な学生への対応について~理工学部での戸惑いを考える~」として研修を行った。また、(株)パーソルダイバースの協力のもと、障害学生の学内での就職支援に関
する教職員向け研修を実施し、「障害者枠での就労に関する研修」の基礎編を11月8日に、知識編を12月7日に開催し、のべ16名が参加した。実践編を1月10日に開催予定である。
研修はそれぞれ動画として保存し、今後オンデマンド教材として利用可能である。ほか、3月8日の佐賀大学技術研究会において、「障害学生の学内支援と実験実習における接し方」
のテーマで技術職員向けの研修を開催予定。
(7-2)(8月)
キャンパスライフサポーターの研修用教材の初版は2022年度に開発しているが、年度末に改定版を用いた動画コンテンツを準備する予定。ほか、教職員向けの「障害者枠での就労
に関する研修」の動画教材2本が12月に完成している。年度内に、残り1本の動画教材を作成予定。
(1)~(7)(3月)
2023年3月~4月に実施した1回目の教職員向けアンケートをもとに、2024年3月に2回目の教職員向けアンケートを実施予定。
●令和4年度進捗状況
〈12月進捗〉
(1) キャンパスライフサポーターの養成研修キットの開発を行った。研修内容がインクルーシブ社会といったテーマに即しているかどうか、不適切な内容がないか等を、2023年2
月に学内関係者と学外専門家によるワーキンググループを立ち上げ、精査予定。学外専門家と対面の打合せを行う予定だったが、年度初めのコロナ感染拡大の時期と重なり、
打合せを年度末2月に延期し、3月にキットの開発を完了する予定。
(2) 全学部(医学部を除く)での大学入門科目におけるメンタルヘルス講習を実施し、キャンパスライフサポーター制度のガイダンスと登録の推奨を行った。
(3-1) 63名(登録希望者の23%)のキャンパスライフサポーターの登録を行った。今後12月末と3月末で集中的に登録推進キャンペーンを行い、登録希望者の50%の登録を目指す。
(3-2) 支援要請学生とのマッチングシステムの運用開始に向け、教務課等と協議を開始している。既存の学内オンラインシステムであるライブキャンパスの改修に費用が追加でかか
ることが判明した。3月に完了するために、2月に再協議し別の方法を探る。
(4) キャンパスライフサポーターの登録が完了し、一定数のサポーターが確保できたが、具体的なサポーター活動が始まっていない2022年度時点での交流会の実施は、学生への参
加意欲や学びの醸成には尚早と考えられたため、サポーター活動の詳細が展開しはじめた2023年度夏休みに実施する予定である。
(5) 通年で、当事者グループ活動を実施している。規模は例年に比べて小さく、学内での活動(定例会)に限定された。
(7-1) 12月時点で、経済学部・理工学部・農学部・教育学部で実施済。1月に芸術地域デザイン学部、2月に全学教育機構でのFD研修を実施予定。また、キャンパスライフサポー
ターのマッチング制度が確定したのちに、3月中にSD研修を実施し完了予定。
(7-2) キャンパスライフサポーターの研修用資料(動画配信型)を活用する予定。教務課との打合せで、大学のe-learningコンテンツにアップできることを確認済。ワーキンググループ
による内容の精査が済めば、教職員向けコンテンツとしても運用開始。
(1)~(7) 3月に実施予定。ソフト・ハード面での基礎的環境整備の状況や、合理的配慮等の理念の浸透について、教職員の意識等を調査予定。
その他
●ステークホルダー
全学生・全教職員・社会人 等
●担当理事
教育・学生担当理事
●担当課
学生生活課