●プロジェクト概要
令和2年10月、文部科学省から地域連携プラットフォーム構築に関するガイドラインが示され、複数の高等教育機関と地方公共団体、産業界等が恒常的に連携する「地域連携プラットフォーム(仮称)」の構築や、これを活用した地域産業の推進等に資するエコシステムの構築を推進する等、若者をはじめ地域の様々なステークホルダーにとって魅力的な地方大学を目指すことの必要性が提言された。
佐賀県においてもリカレント教育やリスキリングを継続的に実施するための課題として、ニーズ把握やそれに対応した教育プログラムの提供、受講生確保に向けた広報・周知等が挙げられている。これら課題解決に向けた取組は、佐賀大学だけでなく、佐賀県全体で行うことが効果的・効率的であり、このため「大学コンソーシアム佐賀」を活性化することにより、リカレント教育やリスキリング教育を充実させる。さらに、第4期中期目標・計画期間中に自治体や金融機関が参画する「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」を設置し、リカレント教育の取組を地域に根付かせ、地域ニーズに応じた人材育成に資する取組に発展させる。
●プロジェクト達成水準
(1)「大学コンソーシアム佐賀」の参加大学が個別に行っている公開講座、授業解放科目などのリカレント教育科目を集約している。
(2)地域に分散している人材ニーズの調査・把握し、それに基づいた教育コンテンツの集約を行っている。
(3)(2)の分析に基づき、社会人の学びを応援するポータルサイトを構築し、社会人向け講座や支援制度など、学び直しに関する情報が集約されサイトに公開している。
(4)第4期中期目標・中期計画期間中に、自治体や金融機関が参画する「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」を設置している。
(5)「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」によるリカレント教育やリスキリング教育が実施されている。
●令和6年度計画
(1)随時 「大学コンソーシアム佐賀」参加大学が実施するリカレント教育に関するポータルサイトを活用し、各参加大学が実施するリカレント教育に関する情報を収集・公開する。
(2-2)9月 R5年度に実施した企業及び県民に対するリカレント教育に関する調査結果を踏まえて、「大学コンソーシアム佐賀リカレント教育促進部会」内で協議を行い、ニーズに
対して必要な対応を各大学に要請する。
(3)随時 「大学コンソーシアム佐賀」参加大学が実施するリカレント教育に関するポータルサイトを公開し、同サイト内で受講生の募集を行う。
(4-2)通年 県内の企業・団体に「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」への参加を呼びかける
(4-3)通年 佐賀県及び佐賀市に対して「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」への参加を呼びかける
(4-4)通年 県内の金融機関に「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」への参加を呼びかける
(5-1)7月 文科省の「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」の申請に向けて、「大学コンソーシアム佐賀リカレント教育促進部会」
にて協議し、「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」設置に向けた申請を行う。
(5-2)通年 先行事例として取り組んでいる「北部九州DXリスキル地域連携プログラム」について引き続き実施する。
●令和5年度計画
(1)「大学コンソーシアム佐賀」参加大学のリカレント教育科目をリスト化する
(2-1)人材ニーズを把握するため、県内企業及び県民へのアンケート調査を実施する
(3)社会人向け講座や支援制度など学び直しに関する情報収集を行う
(4-1)「大学コンソーシアム佐賀」参加大学とリカレント教育に関する一体的な情報発信に関する協議を行う
(4-2)県内の企業・団体と「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」構想に関する協議を行う
(4-3)佐賀県と「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」構想に関する協議を行う
(4-4)県内の金融機関と「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」構想に関する協議を行う
(5-1)「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」の設置形態や目的、役割のたたき台を作成する
(5-2)「北部九州DXリスキル地域連携プログラム」の実施
●令和6年度進捗状況
(12月末時点)
(1) Sagallegeサイトにおいて、「大学コンソーシアム佐賀」参加大学が開講する講座情報を収集・公開しており、令和6年度11月末時点において、81講座を公開している。
(2-2) 5月28日(火)に企業調査・県民調査報告会を開催し、大学コンソーシアム佐賀リカレント教育促進部会のメンバーに、企業および県民のニーズを共有した。また、大学コンソー
シアム佐賀の第1回リカレント教育促進部会を6月24日に開催し、県民ニーズに対する対応として、大学コンソーシアム佐賀参加大学によるリレー講座の提案を行い、実施につ
いて了解を得た。
(3) 「大学コンソーシアム佐賀」の各参加大学にSagallegeサイト内で大学ごとに権限を付与し、随時、リカレント教育に関する情報を入力・公開している。受講者数の報告を求めて
いないため、実際の受講者数は不明であるが、11月末時点で講座全体で2000人分の募集を行っている。また、令和6年11月末に会員登録を公開し、Sagallegeサイトを通じても申
込できるようになった。
(4-2) 当初、文科省の「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」の申請に向け、産・官・学・金によるプラットフォームの構築を目指
していたが、新規募集がなかったため、実態に沿わせた内容に学内で協議し直し、スモールスタートから始めることとした。11月11日開催の九州税理士会及び11月25日開催の経
済同友会に角田リカレント教育部門長が参加し、本学のリカレント教育の現状について説明を行い、人材育成に関するアンケートへの回答を依頼し、11月末時点で約20社の回答
を得ている。県内企業と佐賀大学が連携してきた「サガHR交流会」のネットワークを活用した学び直しの関係性を確認し、次年度以降のプラットフォーム構築への足がかりが出
来た。
(4-3) 5月21日(火)本学に来学いただいた佐賀市経済部経済政策課担当者にプラットフォーム構想の大枠について説明したが、参加への呼びかけには至っていない。また、6月25日(火)
本学で実施したHR交流会に参加された佐賀県産業労働部 産業人材課担当者にリカレント教育に関するポータルサイトについて説明した。
(4-4) 5月28日(火)に佐賀大学にて企業調査・県民調査報告会を実施し、佐賀労働局 職業安定部訓練課 課長補佐、佐賀銀行営業統括本部地域支援部地域共創グループ 副部長にご参
加いただいた。報告会の中でプラットフォーム構想について説明したが、県内金融機関の具体的な役割が決まっていないため、参加への呼びかけには至っていない。
(5-1) 文科省の「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」は、新規募集がなかったため、申請していない。
(5-2) 令和6年8月~9月にかけて受講生の募集を行い、募集定員20名を超える33名の応募者を得ており、引き続きニーズの高いプログラムであると言える。
令和6年10月から受講生20名に対してプログラムを開始し、令和7年1月までの実施を予定している。
今年度は新たにLMS(Learning Management System)を導入し、受講状況の可視化や講義資料の配布、アーカイブの配信、アンケートの配布・回収を行っている。これにより
プログラム運営面での負担の軽減や、効率的な学習環境の提供が可能となった。
また、プログラムの横展開として、一部講義を佐賀市との共催による経営層向けのエグゼクティブセミナーとして開放し、受講生・一般市民合わせて28名の参加者を得た。
●令和5年度進捗状況
(1) 令和5年9月までに「大学コンソーシアム佐賀」参加大学に対して、各大学のリカレント教育実施体制や実施しているリカレント教育内容等についてヒアリング調査を行い、
リカレント教育科目のリスト化を行った。
(2-1) 令和6年3月までに、県内企業800社程度に対して、リカレント教育及び必要とする人材に関するアンケート調査を行い、その内10社に対してはヒアリング調査により詳しい状況
を聴取する予定。
また、令和5年12月までに、県民に対してリカレント教育に関する意識調査を行い、500サンプルの回答を得た。今後、両調査結果に関する分析を行い、人材ニーズを明確化
する。
(3) 佐賀労働局が開催する「佐賀県地域職業能力開発促進協議会」の構成員として堀生涯学習センター長が参加し、第1回協議会(令和5年11月16日開催)にて、本学のリカレント
教育内容について情報発信するとともに、公的職業訓練の実施状況やその効果検証、厚生労働省が実施する「人材開発支援策」などの事業主向け支援制度などに関する情報収集を
行った。
(4-1) 令和5年9月に「大学コンソーシアム佐賀」に新たに「リカレント教育促進部会」を設置し、各参加大学で行っているリカレント教育に関する一体的な情報発信のためのサイト
構築に向けた議論を開始した。
(4-2) 令和6年3月までに、県内企業や経済団体を訪問し、「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」構想に関する説明を行い、同構想に関する意見交換を行う予定。
(4-3) 「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」構想に関して、佐賀県知事と県内大学・短大の学長との意見交換会(UC+5)にて佐賀県知事に説明を行った。また、佐賀県県民
環境部まなび課及び産業労働部産業人材課に説明を行い、文科省の事業への申請について理解を得た。
(4-4) 株式会社佐賀銀行に対して、「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」構想について説明を行い、文科省の事業への申請について理解を得た。
(5-1) 令和6年度文科省概算要求事項に挙げられている「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」の申請に向けて、設置形態や目的、
役割といった「佐賀県地域連携プラットフォーム(仮称)」の具体な内容について、令和6年3月までにたたき台の作成を行うこととしている。
(5-2) 令和4年度文科省補正予算事業「成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業」に「北部九州DXリスキル地域連携プログラム」の申請を行い、令和5年6月
に採択を受けた。
令和5年8月に受講生の募集を行い、募集定員30名に対して72名の応募を得た。令和5年10月から受講生30名に対してプログラムを開始し、令和6年1月まで実施予定。
並行して、同プログラムからの一部を受講生以外に広く展開し、事業の横展開を進める予定。
その他
●ステークホルダー
佐賀県民、企業、自治体、学生
●担当理事
教育・学生担当理事
●担当課
経営企画課/教育企画課