3-4 地域における社会生活の維持と人々の暮らしを支援

ビジョンとの関係と到達イメージ

 これまで本学は教育研究だけでなく,地域コミュニティの形成にも関わってきた。佐賀県の人口約81 万人,佐賀市の人口約23 万人に対し,本学の構成員(児童・生徒・学生・教職員)は約1 万人であり,その家族等まで含めれば地域社会における本学関係者の数的規模は小さくないと言える。各キャンパス周辺では,教育・研究活動を通して地域社会と関わることも多く,夏祭りや清掃活動などの地域活動への積極的参加,学生のボランティア活動への参加など,本学の存在が地域のコミュニティ維持に貢献している。加えて,高齢化が進む地方都市に7 千人規模の若年層が存在することは,地域の活力にとって大きな意味を持つ。

 例えば特定機能病院の認定を受けている医学部附属病院は,地域にとってかけがえのないものであり,基幹病院として高度医療を地域住民に提供している。佐賀県立有田窯業大学校を統合して設置した本学有田キャンパスでは,地元有田町のまちづくりに寄与することが期待されている。また,本学教員は,官公庁等の公的委員会で委員を務め,地域NPO 等の活動にアドバイザーとし
て参画し,活躍しているケースも多い。

 今後,少子高齢化に伴う労働力人口の減少が加速する我が国では,国外からの労働者や留学生の流入が進むことが予想される。それに伴い,文化や習慣,宗教上の違いによるトラブルが問題になるなど,地域が国際化することにより新たな課題が生じることも多くなる。大学は知の拠点として,地域において最も国際化が進んだ存在であることを踏まえれば,異文化理解や多文化共生という視点から地域における社会生活の維持に貢献することができる。

 その他,近年では大雨,台風,地震といった自然災害がもたらす被害は甚大なものが少なくない。防災・減災に関する教育研究の推進はもちろんのこと,キャンパスが地域の避難場所となることも想定される。こうした危機管理や災害対策についても大学ができることを明確にし,地域の社会生活の維持に貢献しなければならない。

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