2-1 個々の研究者の自由な発想に基づく基礎研究・応用研究の充実と分野横 断的な研究の推進

ビジョンとの関係と到達イメージ

 持続可能な社会の実現と地域社会における安全・安心,豊かで質の高い生活の実現に向けて,地域社会の発展に寄与する研究とイノベーションの創出を推進するためには,本学における研究活動が活発に行われることが不可欠である。また,海外の学術機関との積極的な交流による研究活動のグローバル化も必要となる。

 研究とは,個々の研究者の自由な発想と知的好奇心・探究心に根ざした知の創造をなす活動であり,自由な発想を持って研究ができ,かつ,活発な議論の中から,問題意識や課題が生まれ,新たな研究や価値が創造される。したがって,個々の研究者の自由な発想に基づく闊達な基礎研究・応用研究の充実により,本学の研究を発展させなければならない。特に基礎研究は,成果が現れるまで長い時間を必要とし,また,その成果が何に役立つのかが不明であることも多い。しかし,その研究成果によって生み出される基本原理や新たな知の蓄積は,科学的に大きな価値があることはもちろん,既存の技術の限界を打破し,地域社会の発展とイノベーションの創出に繋がっていくもので,高い公共性を有し,大学が先頭に立って取り組まねばならないものである。また,国立大学である本学は,高度な学術的研究を通じて社会の要請に応えていく責務がある。産業・社会構造が大きく転換する中で,基礎研究・応用研究に加え,分野横断的な研究の推進を組織的に進めていく。

 到達イメージとしては,大学からの豊富な予算措置により自由な研究活動が担保されているという認識を改め,研究者自らの強靭な足腰で研究を遂行できる自立(自律)した研究体制への移行を進める。また,研究活動は大小問わず,社会へ還元すべきものであるという認識のもと,社会的な要請や課題とされる分野の研究を開拓する必要がある。これらに対応するため,新分野の研究への着手,分野横断的な研究を支援・推進するとともに,全国共同利用・共同研究拠点である海洋エネルギー研究センター及び本学に設置している研究センター(シンクロトロン光応用研究センター,地域学歴史文化研究センター,肥前セラミック研究センター)の特色や強みを積極的に活用できる研究体制を構築する。

 さらに,グローバル化の進展が顕著な現代社会において,研究活動のグローバル化も必要となる。本学の研究者と海外の研究者との多様な交流,海外の学術交流拠点との連携強化,海外との学術交流拠点としての役割を発揮することで研究活動をより活性化させ,地域社会の発展に寄与する研究とイノベーションの創出を目指す。

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